短歌⑤-「虚像と眼」
継ぎ接ぎだらけの人生に、継ぎ目のない毎日がある。見ないふりをして、見つめる。受け入れながら、拒絶している。この現実こそが幻想であり、幻想にこそ現実がある。そんなことはない。確かに今、私の手には桃が握られている。
踊り場の(触れられないな)柔らかい桃の香りを纏う春風
衣摺れに弛む青空 ゆるやかにカーテンみたいな最期でありたい
祈りから星に変わっていくのだと思う夜汽車に旅の残照
継ぎ接ぎだらけの人生に、継ぎ目のない毎日がある。見ないふりをして、見つめる。受け入れながら、拒絶している。この現実こそが幻想であり、幻想にこそ現実がある。そんなことはない。確かに今、私の手には桃が握られている。
踊り場の(触れられないな)柔らかい桃の香りを纏う春風
衣摺れに弛む青空 ゆるやかにカーテンみたいな最期でありたい
祈りから星に変わっていくのだと思う夜汽車に旅の残照