私は、式における様々なやり残しによる虚脱感と、旧友との再会で仮面をつけたことによる自己疎外感に襲われながら成人式の会場を後にした。満足に成人式を終えられずに不完全燃焼に陥った心は、「誰かと時間を共有したい」というただ一心のみで燻っていた。…
微かに溶け合う夜と朝。コップに注いだ一杯の水を飲み干して冴えわたった意識のもとで、結露と放射冷却で冷えた窓を開け放した。澄み切った空気を肺いっぱい吸い込み空を見る。欠けた月と淡い星。それよりもっと近くで街灯がともっていた。電線の陰で鳥は鳴…
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