ライトダウン

はじまりと雑記。

降る朝

 微かに溶け合う夜と朝。コップに注いだ一杯の水を飲み干して冴えわたった意識のもとで、結露と放射冷却で冷えた窓を開け放した。澄み切った空気を肺いっぱい吸い込み空を見る。欠けた月と淡い星。それよりもっと近くで街灯がともっていた。電線の陰で鳥は鳴いている。薄闇に浮かぶ兎のような雲が朱色に染まりゆくのを眺めていると、流星が空を裂いた。願いも言葉もなく、ただ立ち尽くしていた。一筋の光が降る朝、白い息が空に昇ってゆく。