ライトダウン

はじまりと雑記。

夜明け

こんばんは。

夜中に近所の雑木林の中を駆け巡るハクビシンの音は、静謐の闇に響くその身を挺した叫び声のようで耳を傾けずにはいられない。

音の向かう方を私も追う。すると朝焼けが綺麗に暗闇を覆そうとした瞬間を目の当たりにする。ああ、なんと綺麗な朝焼けだろうか。

昨日が今日に変わる午前0時の狭間に覚えた日付変更の恐怖は、煌々と眼下の町を照らす陽の光によって見事に払拭される。大変なことだ。

私は肌で感じる。夜明け、というのは刹那を表す言葉ではないのだと。光が町に満ちていく。少しずつ、少しずつ。その時間のどれもが夜明けであると知る。ハクビシンの駆け巡る音は気づけば遠くへ消えていた。私とあなたは今日もまた違う一日を生きる。その美しさこそが私の生きる理由である。